仕事がつまらん。
どうにも自分に向いてない気がする。
興味が失せてきてやる気が出ない。
そもそも働くのが嫌い。
ふぅ~。と深いため息をつきながら、会社辞めようかな。。と思う事はよくあります。
損得勘定でいえば、今の会社にしがみついた方が得。でも、人生の幸福度の勘定ではどうです?
「あなたが今の会社を辞めない理由を述べよ」
なんて、論述試験のテーマみたいなことを自らに問いかけてみたりします。
転職に失敗して露頭に迷って、貧しい暮らしを強いられ、辞めた事を後悔して、みじめに生きるっていうマイナス思考に占拠されているから辞めないのですか?
それとも、今の待遇は悪くないし、人間関係が悪いわけでもない。やりがいはないけど、そこそこいい暮らしが出来ている訳だし、このままでいいか。。っていう、妥協した思考に占拠されているから辞めないのですか?
いずれにしても、将来不安、老後不安が邪魔をして、一歩踏み出せずにいる人はかなり多いと思います。
とりわけ30代後半から40代のサラリーマンで、辞めたい、とにかく辞めたい、今すぐにでも辞めたい。でも・・・、老後が不安だから今は我慢しよう・・・っていう考えの方が多いと思います。
結局心配なのはお金です。
私もそうです。
辞めた後の生きがいだとか、退屈な日々だとか、社会からの疎外感だとか、そんなもの、屁みたいなものです。私からすれば、別になんの不安要因でもありません。
会社を辞めてからの心配の種は、唯一にして最大の「お金」が鍵をにぎっています。
40代の私は、そこそこ貯蓄もできましたけど、せいぜい10年かそこらで底をついてしまう程度の貯蓄でしかありません。
老後不安どころか、10年後不安に押しつぶされそうになりながら生きていくなんて、ストレスの大きい生活なんでしょう、きっと。
だから会社を辞められないんです!
体が動くうちは働くというのは、大きなリスクヘッジになりますからね。特にお金の面で。
年をとれば、誰しも病気になるリスクを抱えますし、体力の低下、気力の低下も伴ってくると思います。そんな状況で今と同じだけのパフォーマンスが求められても応えるだけの自信がありません。
年を重ねたら、経験値と人脈で勝負しなければ今のパフォーマンスを維持することすら難しくなります。
よって、将来メシのタネとなる「今までの経験」をみすみす捨ててまで、今の会社を辞めるのか?と考えると、会社を辞めるという選択ができなくなるのです。
転職したところで、労働によってお金を得る行動は続きますし、その行動が正解かどうかは誰も判定できません。
転職で給料が上がる人ならともかく、今の私にそれなりの待遇と給料を保障してくれる会社があるとは思えません。
と、ここまでは「お金」を軸に考えてきました。
では、幸福度という点ではどうでしょうか。
今の会社が嫌いで仕方ない。今の仕事が嫌で嫌でたまらないという人が、会社を辞めるという選択を取った場合、果たして幸せになれるのでしょうか。
幸せになるって何?そもそも幸せって?
そんな疑問も生まれますけれど、ここでは誰にも縛られずに好きな事をして過ごすことが幸せであると定義します。
当然、お金をいう概念にもしばられず、好きな時に好きなことをして、あわよくば報酬を得て、そしてまた好きな事に費やすという生活はどうでしょう。
まさにフリーター。
社会からの視線、周囲の声など気にしていては幸せになれません。
そうしたものから断絶された世界。そう、自分だけの世界。
まさに引きこもり。
もう気が付きましたか?
そうなんです。
自分の世界に引きこもって、好きなことをして、もしそれが人の役に立ってお金という価値に変換されるならよし、人の為にならなくてもよし。
この生き方に行きつくんです。
当人はこの生き方が幸せなんです。
これって、アートな世界だと思いませんか?
最終的には芸術の分野に行きつくのです。
「自分の生きざまこそがアートだ」と言い切ってしまって、批判も反論も受け付けない、本当の自由。
精神的にタフでいられるか。他人に依存することに躊躇せずにいられるか。
そして、自尊心が耐えられるか。。
高いレベルでの精神修行が必要ですよ、これは。
今の会社を辞めたいと考えた時、「お金」ではなく、「幸福度」の観点で考えたならば、仏門に近づいていくな、と直感で気付きました。
会社を辞めた後、自らの声に従って生きる。これが悟りと言われる境地なのでしょうか?
自分の才能に絶対の自信を持って過ごすアーティストとは違う、天上天下唯我独尊。
なんだか奥深いようですが、世間(俗世?)でまっとうと言われる人に言わせると、「わがままで自分勝手な生き方」ってことになるようです。
分かったような、分からないような。
だから人生は面白いのだと思います。
ただ一つ、アーティストになったつもりで言えることがあります。
「会社だけじゃないぜ、人生は。」
最後までお付き合いいただき有難うございます。