孤高のラーメン

仕事
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地味にいい仕事をしている方にお会いしました。片田舎でラーメン屋を営む、70歳近いおばあさんです。

仕事が立て込んでいて昼ごはんを食べそびれてしまい、完全にランチタイムを逃したことによる昼食難民になった私は、あてもなくフラついていたところ、古びたのれんが目にとまったのです。

正直期待などできる雰囲気ではなかったですし、完全にランチの時間をはずれたこんな時間に営業してくれていただけでもラッキーだと思って、なにげなく選んだお店でした。

お店の看板とおぼしきラーメンを頼み、運ばれてきたスープをひとくちすすったところ、衝撃が走りました。

この澄み切った嘘みたいな黄金色の液体は、作り物じゃない。本物だ。

国民食とも言えるラーメンですから、私とて今までに数多のスープをすすり、何時間の行列待ちをしてきましたので、だしが本物かどうかを見分ける舌は持ち合わせているつもりです。

正直、行列ができるお店でも、一口目はおいしくても後からくどさが出たり、だしをとらずに粉末で風味をそれ相応のクオリティに仕上げたな、と分かってしまうスープを平気で出すお店は多いです。

そう考えると本物のスープって意外に少ないのですが、今回たまたま入ったラーメン屋のだしは、口の中に残る人口的なものは一切感じられず、スープの味わいの奥行きにとコクの深さがあいまって、しっかりだしをとりましたよ、語り掛けてくる味わいだったのです。

平凡なお店構え、高齢の店主ということで、色眼鏡を掛けてしまっていた自分を反省するとともに、仕事ってこういうことなのか。と感心させられました。

自分が最高だと思うことをやり続ければ、きっと誰かが見てくれる。

一杯のラーメンから仕事に対する哲学の世界に連れ込まれたのでした。

最後までお付き合いいただき有難うございます。

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